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東京藝術大学大学院映像研究科が主催する人材育成事業geidaiRAM(Research-based Arts Management)では、一般公開のレクチャー・シリーズを開催しています。社会を巡る状況が大きく変化しつつある中、日本におけるアートマネジメントやアートプロジェクトを問い直し、地域やコミュニティとアートの関係を捉え直すために、geidaiRAMでは様々なゲストを招いて公開で議論することで、社会に問いを開いていきたいと思います。
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現在、芸術文化の創造は、さまざまな専門家やマネジメント/制作スタッフ、ボランティアといった多様な立場の人々の協働によって成り立っていますが、その現場を担う人々の労働環境は、長時間労働、低賃金、有期雇用、社会/雇用保障の不在など、非常に厳しい状況にあります。これは自己責任だから、芸術文化だからと切り捨てておいていい話ではなく、芸術/表現の公共性をめぐるこの社会の問題にほかなりません。実際、ギルドや情報共有のためのプラットフォームを作るなど、現状に対する具体的な動きも生まれつつあります。

第6回目となる本レクチャーでは、研究者と実務家の立場からアートプロジェクトの研究を続けられている吉澤弥生さんと、映画監督として活躍されている深田晃司さんをお招きして、それぞれの立場から、この芸術と労働の公共性をめぐる問題を、来場者の方々とともに考えていきます。

【入場無料・事前予約不要|受講生以外の方もご参加頂けます】
日時:2014年12月15日(月)18:30ー21:30
場所:東京藝術大学上野キャンパス美術学部中央棟2F第3講義室(http://www.geidai.ac.jp/access/ueno)
主催:東京藝術大学大学院映像研究科 平成26年度文化庁「大学を活用した文化芸術推進事業」

【プログラム】
■ 18:30-18:45 geidaiRAMと講師紹介
■ 18:45-19:30 吉澤弥生氏 アートプロジェクトの現場の労働とこれから。
■ 19:30-20:10 深田晃司氏 映画を作ることと見せること。その労働をめぐる現状と改善に向けて。
■ 20:10-20:25 休憩
■ 20:25-21:20 オープンセッション
■ 21:20-21:30 まとめ

講師プロフィール:
吉澤 弥生(よしざわ・やよい)
共立女子大学文芸学部専任講師、NPO法人地域文化に関する情報とプロジェクト[recip]代表理事、NPO法人アートNPOリンク理事。1972年生まれ。大阪大学大学院修了、博士(人間科学)。専門は芸術社会学。労働、政策、運動、地域の視座から現代芸術を研究。近著に論文「大阪の現代芸術事業の周辺で起きたこと」(『上片芸能』191号、2014)、単著『芸術は社会を変えるか? -文化生産の社会学からの接近』(青弓社、2011)、調査報告書『続々・若い芸術家たちの労働』(2014)など。

深田 晃司(ふかだ・こうじ)
1980年生まれ。大学在学中に映画美学校に入学。2006年『ざくろ屋敷』を発表。パリKINOTAYO映画祭にて新人賞受賞。2008年長編『東京人間喜劇』を発表。同作はローマ国際映画祭、パリ国際映画祭に選出、シネドライヴ2010大賞受賞。2010年監督・脚本・プロデュースを務めた『歓待』で東京国際映画祭「ある視点」部門作品賞受賞。2013年、最新作『ほとりの朔子』でナント三大陸映画祭グランプリと若い審査員賞、タリンブラックナイト映画祭で最優秀監督賞を受賞する。

企画・運営・広報:小形幸、堀江映予(geidaiRAM)