「GEIDAI BIBLIOSCAPE 2019 – オブジェとしての本」展示作品
RAM Guest Artist
《かもめ かもめ》
ソーリン 劇場がないじゃ、話になるまい。
トレープレフ だから、新しい形式が必要なんですよ。新形式がいるんで、もしそれがないんなら、いっそ何にもないほうがいい。
ーチェーホフ《かもめ》(神西清訳『かもめ・ワーニャ伯父さん』より)
これは、作家、女優、医者、教師……様々な人間たちが湖畔の田舎屋敷を舞台に、恋や生活、芸術に頭を悩ませる戯曲の一節である。物語は演じられることを前提としており、登場人物の中身は全員役者、彼らの立つ場所は文字通り劇場の舞台だとも言える。そして、劇中劇が象徴するように、演劇自身について語ろうとする演劇でもある。
何をどう描けばアニメーションは《かもめ》になれるだろうか?
(池亜佐美、山中澪)
(2019年-, インスタレーション)
池亜佐美
2011年東京藝術大学美術学部デザイン科卒業、13年同学大学院 映像研究科アニメーション専攻修了。 TV、映画などのアニメーション製作のほか、動物園でのメディアアートコラボレーション「ひかるどうぶつえん」のディレクションをはじめ、開放的な空間を使ったプロジェクションマッピングやVRなど、アニメーションと場所と音楽の関係性をデザインする。
liltasm.com
山中澪
愛媛県生まれ。神戸大学発達科学部人間表現学科卒業。東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻修了。言葉からどうアニメーションを組み立てるか考えるのが好き。
twitter:@j030i
https://ji030ii.tumblr.com