「RAM PRACTICE – ポストドキュメンタリーをめぐって」上映作品
GUEST ARTIST 


吉開菜央《風にのるはなし》

 

《風にのるはなし》

神奈川県真鶴町。高度経済成長期の勢いに乗って、高層マンションやショッピングモールのような商業施設を建てることを頑なに拒み、自然と調和するまちづくりを地道に進めてきた町である。そのルールは「美の基準」と呼ばれ、町のみんなが自分の家から海を見渡せるように、建築物の高さに制限があったり、実のなる木があると気持ちも晴れやかになるので、みんな積極的に家の周りに木を植えようなどという、当時の町長の思いやりと優しさと茶目っ気にあふれたルールであった。そんな町の雰囲気は、なんとものどかであったが、よく目をこらし、住んでいる人に話を聞いてみると、思わず笑ってしまうような珍エピソードが溢れていた。この映画は、そんな真鶴町で実際に起こったできごとや、その町にある景色を素材に、フィクションとして描き起こした、真鶴シティサイクリングファンタジーである。

(2017, 9min)

監督:吉開菜央
出演:前田エマ
撮影:幸前達之
美術:加藤小雪
照明:加藤大輝
プロデューサー:鈴木徳至
協力:真鶴町

平成28年度 メディア芸術クリエイター育成支援事業

 

吉開菜央《みずのきれいな湖に》

 

《みずのきれいな湖に》

わたしたちは、水に生かされもすればきっと殺されもする。
姿形を変えながら、地球を縦横無尽に巡る水に、いつかわたしも取り込まれる日がくるだろう。雨の降り止まない湖のほとりで、水や、その周りにある空気に身をゆだねて舞うからだを捉えた、ダンス・フィルム。

(2017, 9min)

監督:吉開菜央
出演:小暮香帆
撮影:黑田菜月/伊藤公一/上田晴久
録音:jiji
タイトルデザイン:畑ユリエ
音楽:松本一哉



吉開菜央 [映像作家/ダンサー]
1987年山口県生まれ。日本女子体育大学舞踊学専攻卒業、東京藝術大学大学院映像研究科修了。生き物ならではの身体的な感覚・現象を素材に、「見て、聴く」ことに集中する時間を映画にする。2015年に監督した『ほったまるびより』が第19回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門新人賞を受賞。近年の主な作品は『風にのるはなし』『静坐社』『みずのきれいな湖に』。いずれも国内外の映画祭や展覧会で上映されている。2019年3月10日まで「オープン・スペース2018 イン・トランジション」(NTTインターコミュニケーションセンター[ICC]、東京)にて触覚映画《Grand Bouquet/いま いちばん美しいあなたたちへ》(2018)を出展中。

 

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2019-02-13|