鳳甲美術館(北投)を訪問し、国際映像祭 TIVA「OFFLINE BROWSER」展をキュレーションしたアーティストの許家維(シュウ・ジャウェイ)氏による展覧会ガイドを実施しました。本映像祭には公募を含む44作品も国内外問わず展示されており、タイトルにも込められている通り企画意図について「インターネットがインフラ化した現代にとって、オフライン/オンラインの境界線は曖昧になり映像メディアの環境も大きく変化している」と許氏は述べ、映像表現をめぐって意見を交わしました。
【参加者コメント】
小宮麻吏奈(アーティスト / 研修生2018)
「リアルタイムの現代の映像とはどういうものか?という問いと、そのアンサーを見渡すと、実感以上に個々の作家の同時代性が強く、こういった作品をきちんとアーカイブとして残せれば、後世資料になると思えましたが、映像の近似性(使用しているツールがほとんど限られているゆえに)に危機感も覚えました。今はスマートフォンという、モバイルかつ身体的なメディアの方が身近に(肌身離さず)持っているので、そういった映像と身体がよりリンクしたデバイス映像環境が今後美術の中でどう展開されるかが気になった点でした。」
【開催概要】
http://geidai-ram.jp/event/1509/
日時 :2018年12月14日(金)
場所 : 鳳甲美術館(台北、台湾)
講師プロフィール:
許家維(HSU Chia-Wei / シュウ・ジャウェイ)
1983年台中生まれ。国立台湾芸術大学卒業。産業化、都市化、当事者の高齢化などによって失われていく地域の記憶や散在する資料を集め、世界の複雑さや多様さ、記憶の不確定さなどを浮き彫りにし、アジア各地の歴史のなかで、正史とされる歴史からは読み取れない複雑な物語を、美しい映像作品やインスタレーションに描き出している。第15回台新芸術賞グランプリ(2017年)、ヴェネチア・ビエンナーレ台湾館出展(2013年)、ヒューゴ・ボス・アジア・アート賞ファイナリスト(2013年)など数々の賞を受賞。台北のアーティストランスペース「Open-Contemporary Art Center」にて共同ディレクターを務めるほか、展覧会のキュレーションや執筆も行う。
参考リンク:
台湾国際映像芸術祭2018《 OFFLINE BROWSER 》
会期 : 2018年10月20日(土)-2019年1月13日(日)
キュレーター : 許家維(シュウ・ジャウェイ)、許峰瑞(シュウ・フォンレイ)
http://twvideoart.org/tiva_18/
主催:geidaiRAM2(東京藝術大学大学院映像研究科)
助成:平成30年度文化庁「大学における文化芸術推進事業」
協力:鳳甲美術館
企画:田中沙季
運営:和田信太郎・佐藤朋子
写真:澤本望
映像:万里