RAMフェローのカニエ・ナハによる「詩と言葉のワークショップ」第六回を開催しました。

これまでの活動を経て、このプロジェクトでは一冊の本をつくることを目指しています。 今回はその編集会議の一環として、紀行文というテーマのもと各々が執筆しようとしているテキストについて、そしてそれらをまとめる本のつくりはどのようなかたちが適しているのか、ディスカッションしました。

演劇批評も内包した戯曲、ニューカレドニアの消えゆく言語Iaai語について、一目惚れと移動のエピソード、奄美群島に伝わる妖怪ケンムンを語り手に自身の移動を語る、など、集まったメンバーからはそれぞれの解釈による紀行文のアイデアが飛び出します。本のつくりについても、各テキストに適した器を用意できるように、「さまざまな素材を綴じる」「読者が編集できる本」といったキーワードが出てきました。

説明しすぎると損なわれてしまうものへの指摘と、「意気込んで書いたものよりも、気軽に書いたものの方がよいこともあるのが文章である」というカニエの言葉とともに会は締めくくられました。 複数人でつくることによる思わぬ広がりを期待しながら、引き続き、手製本でしかできないもの、文章でしかできないことを探っていきます。

▼リファレンスとして紹介された書籍やテキスト(抜粋)
タケイ・リエ『The inland sea』(archaeopteryx, 2019)
是恒さくら『ありふれたくじら』(リトルプレス, 2016-)
時里二郎『名井島』(思潮社, 2018)
志賀理江子による自作に寄せたテキスト『日本の新進作家展 vol.7 オン・ユア・ボディ』(東京都写真美術館, 2018)
畠山直哉による自作に寄せたテキスト 『DOMANI・明日2020』(文化庁, 2020)
東京国立近代美術館[編著]『アンリ・ミショー ひとのかたち』(平凡社, 2017)

 

【開催概要】
日時 : 2020年2月21日 [金] 19:00-22:00
会場 : RAMワークスペース (コ本やhonkbooks 横)
主催 : 東京藝術大学大学院映像研究科(RAM Association)
助成 : 2019年度文化庁「大学における文化芸術推進事業」

講師:カニエ・ナハ[詩人]

企画:カニエ・ナハ
運営:佐藤朋子, 村田萌菜
記録:村田萌菜, 中島百合絵
監修:和田信太郎

2020-04-17|