geidaiRAM2の前身にあたるgeidaiRAMの研修生であった田中みゆき氏が企画したオープンレクチャーです。田中氏がプロデュースを務めた映画《ナイトクルージング》が4月より公開され、それに先立ち、映画の試写会と、アフタートークの2部構成で公開講義を開催しました。生まれながらの全盲者の映画制作を追うドキュメンタリー映画『ナイトクルージング』は、見えない加藤秀幸が、見えるスタッフと“イメージ”を交換・共有しながら映画をつくりあげるプロセスを入れ子状に複層化された作品です。映画内映画として上映される加藤の監督するSF映画にも登場する<ゴースト>は、異なる人と人との間にある、どう足掻いても共有しきれないものを象徴しており、それは加藤の映画制作とも重なっていきます。ドキュメンタリーとフィクション両方の側面から、視覚とイメージ、“観る”こと、そして作家性について問いを投げかける問題作であり、公開講義では、映像を通して歴史を構造的に批評し再解釈を試みる美術家・映像作家の藤井光と、映画『ナイトクルージング』監督の佐々木誠、出演の加藤秀幸、プロデューサーの田中みゆきによるアフタートークを通じて、ドキュメンタリーとフィクションの間、そこにある当事者性について議論しました。
【開催概要】
http://geidai-ram.jp/event/1423/
日時 : 2019年3月16日(土) 13:00 - 17:00
会場 : 東京藝術大学 上野校地 中央棟第一講義室
主催 : 東京藝術大学大学院映像研究科 geidaiRAM2
助成 : 平成30年度文化庁「大学における文化芸術推進事業」
企画 : 田中みゆき [キュレーター / プロデューサー、geidaiRAM(1期)研修生]
制作進行:和田信太郎
運営:佐藤朋子、田中沙季
広報:西山有子、澤本望
記録ディレクション:村田萌菜
写真:村田萌菜
映像:高見澤峻介
参考リンク:
「見えない映像を観ることについて」──『ナイトクルージング』試写会レポート|田中みゆき
【artscape 2019年04月01日号(キュレーターズノート)】