geidaiRAM PROGRAM 2016

第1回 国際アートプラクティス会議         【ICAP Tokyo 2016】開催

International Conference on Art Practice

多様性のインデックス  〜アジア太平洋の芸術誌をめぐって〜

 

東京藝術大学大学院映像研究科が実施するリサーチ・プログラム「geidaiRAM」は、この冬、2日間にわたって国際カンファレンス「ICAP(アイキャップ:国際アートプラクティス会議)」を開催します。国内外で注目が高まる若手・中堅のアーティストや研究者が集い、初日はプレゼン形式のセッション、2日目はシンポジウムを開催します。アジア太平洋圏における土地・歴史・社会に応答する実践を紹介し、その可能性について議論します。

 

 

「表現の縁(エッジ)」が立ち上がるとき

ICAP(国際アートプラクティス)会議は芸術の実践(アートプラクティス)とさまざまな学問領域を架橋することを目的とした国際会議です。世界を理解するために表現する芸術の実践にとって、地域や分野を越境することは複雑で豊かな「表現の縁(エッジ)」をもたらすエネルギーです。その越境はもちろん、地域だけではありません。文化人類学、文学、社会科学、地域研究は言うに及ばず、情報科学、生命科学、脳科学あるいは医学といった領域に至るまで、分野を越境することで新鮮な絵図が世界に更新されています。その更新された絵図を、いったん立ち止まってじっくり観察しながら、議論すること。その機会を提供することがICAPのミッション(使命)です。ICAPは2016年の東京で、ささやかに地域を越えた多様なジャンルの結節点(ノード)としてインストールされました。そこには新しい「表現の縁(エッジ)」が立ち現れようとしています。(桂英史)

 

 

ICAP Tokyo 2016

【日時】2016年12月10日(土)11日(日)14:00-18:00

【会場】東京藝術大学上野校地美術学部中央棟第一講義室

【予約】http://bit.ly/2fSvOnO(定員150名/要予約/入場無料)

※使用言語:日本語(逐次通訳あり)

 

 

+ Theme

 

「多様性」のあり方をアートの実践から捉えなおす

ICAPは、アジア太平洋地域を中心にアートプラクティスの交流を促すべく生まれたプラットフォームです。その第1回目は東京で開催することになりました。今年のテーマは「多様性のインデックス〜アジア太平洋の芸術誌をめぐって〜」。さまざまな地域と歴史あるいは社会から生まれた芸術実践を紹介する機会にするとともに、「多様性」のあり方そのものの拡張をめざす場でありたいと考えています。

ICAP Tokyo 2016は2日間の開催です。<DAY1: ARTIST SESSION>では、若手アーティストのプレゼンテーションと、コメンテーターからの問題提議の中から、同時代的表現を探ります。<DAY2: SYMPOSIUM>では、国内外で注目を集める研究者とアーティストが集い、プレゼンテーションとディスカッションをおこないます。この2日間を通じて、芸術と地域・歴史・社会との関係から生まれる先進性と独立性について模索し、芸術実践の役割期待について探求します。

 

 

+ Program

 

12月10日(土)<DAY1: ARTIST SESSION>

14:00 – 14:15  opening speech  桂英史

【登壇者 & コメンテーター】

14:15 – 15:15  オル太 × リュウ・ルーシャン

15:30 – 16:30  玄宇民 × シュウ・ファンツー

16:45 – 17:45  シュウ・ジャウェイ × 林立騎

 

12月11日(日)<DAY2: SYMPOSIUM>

【プレゼンテーション】

14:00 – 14:30  ピーター・エッカソール

14:30 – 15:00  ゴン・ジョジュン

15:15 – 15:45  ジェームズ・オリヴァー

15:45 – 16:15  高山明

<休憩>

【ディスカッション】

16:30 – 18:00  DAY2 登壇者+桂英史  司会:林立騎

 

 

+ Profile

 

 

オル太

2009年結成。井上徹、川村和秀、斉藤隆文、長谷川義朗、メグ忍者、Jang-Chiの1980年代生まれの6名による表現集団。地域の風土・文化・感性、サブカルチャーやマスメディアを通じて醸成された記憶にインスピレーションを得ながら、人間の根源的な欲求や感覚を軸にしたパフォーマンス作品を中心に活動。第14回岡本太郎現代芸術賞受賞(2011年)。近年では、ベルリンや韓国での滞在制作や、Busan Biennale 2016にて新作を発表。

 

 

 

 

リュウ・ルーシャン

中国北京出身、日本在住。2003年からグローバル化、移住、ダイバーシティ、アイデンティティをテーマとする映像・パフォーマンス作品を発表している。東京藝術大学大学院映像研究科博士後期課程修了。

 

 

 

 

玄 宇民

1985年東京生まれ。主に韓国を舞台に映像作品を制作。生まれた地を離れた人々のありようとその背景となる移動、マイグレーションをテーマに映像の可能性を探る。東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修了、同博士後期課程在籍。主な作品に『to-la-ga』(2010)、『NO PLACE LIKE HOMELAND』(2011)、韓国のフェリーを舞台にした長篇『OHAMANA』(2015)などがある。

 

 

 

 

シュウ・ファンツー

台湾出身。キュレーター、リサーチャー。国立シンガポール大学カルチュラルスタディーズ学部アジアプログラム・リサーチフェロー。同大学博士課程在籍。シカゴ美術館附属美術大学にてアート・アドミニストレーション&ポリシー修士課程修了。2010-13年、アジア・アート・アーカイブのデジタル・マネージャー。第5回台湾国際ビデオアート展(2016)共同キュレーター。研究領域は、同時代的な知の形成、冷戦期におけるテクノロジーの美学と記憶と哲学、日常の芸術実践等。

 

 

 

 

シュウ・ジャウェイ

1983年台中生まれ。アジアの冷戦における忘れられた歴史をテーマに映像作品やインスタレーションを制作。映画の手法を用いながら、現実と虚構、歴史と現在の狭間で人の記憶や歴史を再構築する。2013年ヴェネチア・ビエンナーレ台湾館出展作家。2013年ヒューゴ・ボス・アジア・アート賞ファイナリスト。2015年オランダのVan Abbe美術館で個展開催。台北のアーティストランスペース「Open Contemporary Art Center」ディレクター。

 

 

 

 

林 立騎

翻訳者、演劇研究者。おもに戯曲や演劇理論を翻訳。ノーベル賞作家エルフリーデ・イェリネクの『光のない。』(白水社)で第5回小田島雄志翻訳戯曲賞。2005年より演出家・高山明の作品制作に参加。Port Bでは『東京ヘテロトピア』、Port観光リサーチセンターでは「メディア・パフォーマンス」シリーズのリサーチを担当。2014年より京都造形芸術大学非常勤講師(演劇学)。東京藝術大学特任講師としてリサーチプロジェクト「geidaiRAM」を運営。

 

 

 

 

ピーター・エッカソール

NY市立大学大学院博士過程演劇部門主任教授。専門は日本演劇、ドラマトゥルギー、パフォーマンス研究。PSi(国際パフォーマンス・スタディーズ学会)副会長。国際研究プロジェクト「ニューメディア・ドラマトゥルギー:ニューメディアがライブパフォーマンスの作品構成/観客体験に及ぼす影響」共同研究責任者。学術ジャーナル”Performance Paradigm”共同創設者・編集委員。

 

 


 

ゴン・ジョジョン

1966年嘉義(台湾)生まれ。国立台南芸術大学芸術創作理論研究所准教授。2009年より季刊美術誌「Art Critique in Taiwan (ACT)」の編集長に就任。翌年 ACT が全国出版大賞の 2010 年度優秀賞を受賞。2014年、台北鳳甲美術館にて「2014国際ビデオビエンナーレ—The Return of Ghosts」をキュレーション。キュレーター、批評家としても活動する傍ら、C.G.ユングなどの中国語(繁体字)翻訳者としても高い評価を得ている。

 

 

 

 

ジェームズ・オリバー

メルボルン大学ヴィクトリアン芸術カレッジ専任講師。研究者・教育者として約20年のキャリアを生かし、公共施設等で広範囲に人材育成や芸術創造の場の発展に取り組む。また、エスノグラフィやリサーチを軸とした方法論、空間表現、パフォーマンスを実践するアーティストやリサーチャーとの協同作業を数多く行う。スコットランド、ヘブリディーズ諸島出身。2017年に『Associations: creative practice and research』を出版予定。

 

 

 

 

高山 明

演出家。演劇ユニットPortB(ポルト・ビー)主宰。既存の演劇の枠組を超え、実際の都市を使ったインスタレーション、ツアー・パフォーマンス、社会実験プロジェクトなど、現実の社会に介入する活動を世界各地で展開している。近年では、美術、観光、文学、都市リサーチ、建築といった異分野とのコラボレーションに活動の領域を拡げ、演劇的発想・思考によって様々なジャンルでの可能性の開拓に取り組んでいる。2016年度より東京藝術大学大学院映像研究科准教授。

 

 

 

 

桂 英史

1959年長崎県生まれ。東京藝術大学大学院映像研究科教授。専門はメディア理論、図書館情報学。せんだいメディアテーク(仙台市)やメディアセブン(川口市)など、国内外で公共文化施設のプランニングに携わる。主な著書に『東京ディズニーランドの神話学』(青弓社)、『インタラクティヴ・マインド』(NTT出版)、『人間交際術』(平凡社新書)、『美しい知の遺産世界の図書館』(監修・河出書房新社)などがある。