青柳菜摘 + 佐藤朋子
《 石のエクリチュール 》

書き⾔葉/話し⾔葉を問わずに⾔語⼀般を条件とした芸術作品を「⽂芸」として捉え、同時代としてのリテラルな表現をめぐり新しい⽂体や形式を追求するプロジェクトです。

8⽉から始動する「Literally Research Lab」では、各回ごとにテーマを設けて、ディスカッションやワークショップを少⼈数で開催していきます。ホストから事前に提⽰された課題を通じて、⾔葉や⾔語が芸術表現にどのように関わりあい、そこにはどんな可能性があるか実践をベースにして迫ります。

2020年秋公開予定の LITERARY ART MAGAZINE のウェブサイト《griff》と連動した企画として、《⽯のエクリチ ュール》ではゲストを招聘し、オープンレクチャーの開催も計画しています。また順次、他プロジェクトと連動することで、ポストドキュメンタリーとしての「⽂芸」を再考していきます。

表題の《⽯のエクリチュール》とは、ロジェ・カイヨワによる著作『⽯が書く』(新潮社, 1975年)に典拠して、原題である“L’Ecriture des pierres”=⽯のエクリチュールをプロジェクト名として引⽤しました。カイヨワは⽯に表出された模
様を前にして、それを「⽯が書いたもの」であると⾒出して思考を重ねています。ここでの模様とは何か。⼈間が⽂章表現を⽤いて表現する営為は、⽯が描出したことを翻案する作業であるのかもしれません。それまで⾒えていなかった
対象や関係性が⽴ち現れるには、「書く」ことを再-定式化することから始めなければならないのです。あるいは逆に⾔葉を⽤いた表現を他なるものに転⽤することによって余地が付与され、⽂芸に拡がりが可能となるのです。

※《griff》:さまざまなアーティストが連載形式でウェブ上にて作品を発表していきます。2020年秋オープン予定。公式オープン後は公募を設けて企画の募集を定期的に⾏なっていく予定です。《griff》を主催する「griff publishing」は、⻘柳菜摘、佐藤朋⼦、飯岡幸⼦、カニエ・ナハの4⼈を編集委員に、編集⻑を⻘柳が務めて運営します。


⻘柳 菜摘[アーティスト]
ある⾍や⾝近な⼈、植物、景観に⾄るまであらゆるものの成⻑過程を観察する上で、記録メディアや固有の媒体に捉われずにいかに表現することが可能か。リサーチやフィールドワークを重ねながら、作者である⾃⾝の⾒ているものがそのまま表れているように経験させる⼿段と、観者がその不可能性に気づくことを主題として取り組んでいる。プラクティショナーコレクティヴであるコ本や honkbooks 主宰。「だつお」というアーティスト名でも活動。
http://www.datsuo.com/


佐藤 朋⼦[ アーティスト]
1990年⻑野県⽣まれ、神奈川県在住。2018年東京藝術⼤学⼤学院映像研究科メディア映像専攻修了。レクチャーパフォーマンスを主として「語り」による表現活動を⾏う。主な作品に、『The Reversed Song, A Lecture on “Shiro-Kitsune (The White Fox)”』(2018-)、『⽡礫と塔』(2018-)、『103系統のケンタウロス』(2018-)、『ふたりの円⾕』(2019-)、『Museum』(2019-)。
tomokosato.org

2020-10-20|