《 オープンマイク アンソロジー(Open Mic Anthology)》

万葉集やら百⼈⼀⾸やらから始まり、これまでこの国だけでも膨⼤なアンソロジーが編まれてきて(いまわたしの机のうえには、⼀昨年アメリカの書店で買ってきた「The Black Poets – A New Anthology」なんてペーパーバックもある)、現代においては YouTube や Spotify のプレイリストなども、極私的なアンソロジーと呼びうるかもしれない(「プレイリスト・ムービー」と謳われた、A24 の新作「WAVES」を先週⾒てきた)。わたしたちの「読書」の領域の多くを、映像や⾳楽が占めるようになって久しい現在において、またこの 2020 年この状況下において、〈アンソロジー〉なるものはどのようにアップデートされ、アクチュアルなものとして編まれうるか(いま⽂芸誌界隈でよく使われるワードでいうと「再起動(リブート)」されうるか)。
⽂芸分野では、短歌における歌会、俳句における句会という、協同制作の場が⻑くあり、現代の詩においては⼀つには〈オープンマイク〉というかたちで⾏われてきたそれは、今回の緊急事態下でも、オンラインに場を移しつつ、毎週のようにどこかで開かれ、ときには夜通し⾏われたりもするらしい。この〈オープンマイク〉を、多様なバックグラウンドを持ち、多彩な表現を実践している RAM メンバーのみなさんとおこなってみたい。どのような表現の交感が、化学反応が起こるだろうか。
毎回、何かしらのテーマを設け(たとえば「海」でも「猫」でもいいし、あるいは「パンデミック」とか「ブラック・ライブズ・マター」とかでもいいのかもしれない)、3分とか5分という限られた時間(制限は時間を空間化する、あるいは⾴(ページ)化する)の中で表現をしてもらい、その場で⽣成されゆく〈ライブ・アンソロジー〉といったものを編んでみたい。
⾃作のテキストを読んでもらってもよいし、即興で語ってもらってもよい。既存作品の朗読や解説・紹介でもいいかもしれない。慣れてきたら映像等をからめてもよいかもしれないし、踊ってもらっても歌ってもらってもかまわない。
終演後には、ビールでも⽚⼿に(コーヒーでもジュースでももちろん良い。両⼿でもストローでも)、語りあえたら、この状況下でメンバー同⼠が交流できる場の⼀つにしてもらえたら嬉しい。
ここから、それぞれの新しい作品やプロジェクトの芽が吹くかもしれない。すくなくとも何かしら新しい⾵が。

開催日:2020年7月31日、8月14,28日、9月25日、10月24日、2021年1月2日

カニエ・ナハ[ 詩⼈]
2010年「ユリイカの新人」としてデビュー。2016年、詩集『用意された食卓』で第21回中原中也賞、第4回エルスール財団新人賞。本の装丁や、アーティストとのコラボレーション、朗読パフォーマンスも多数行っている。主な参加展に「MOTサテライト 2017 春」(東京都現代美術館、2017)、「スペクトラム」(スパイラル、2015)等。2017年にはNHKのドラマ「朗読屋」に出演、スカパー!のアートドキュメンタリー「Edge 詩人カニエ・ナハ 未だ見ぬ詩の世界へ」が放送される。2018年には米アイオワ大学に、またフィンランド、ラハティ・ポエトリー・マラソンに招聘され、朗読パフォーマンス等を行う。2020年「さいたま国際芸術祭2020」「MIND TRAIL 奥大和 心のなかの美術館」に参加。


《トラベローグ パーキングロット》
《オープンマイク パーキングロット》

ワーキングプログレス(2021)

パーキングロット 「 (1)駐車場のこと。(2)議論において、今すぐには話し合うべきではないと判断される話題などを一旦保留しておくために、机やホワイトボードの隅などに設けられるスペースを意味する語。議論の混乱や、無駄な議論を避ける効果があると言われる。テーマから外れた話題を隔離するために用いられるが、議論が進むとパーキングロットに保留しておいた話題が役に立つ場合もあるとされる。」(「実用日本語表現辞典」より)

開催日:2021年3月26, 28日

写真:志村茉那美


2020-10-20|