ここでまた、あそこで、こうやって、かつてのように
RAM Associationでは、アートプラクティスを新たに開発するプログラムとして〈RAM R&D〉を実施しています。RAMインターンでもあり、アーティストのYuni Hong Charpeが自ら取り組んでいるプロジェクト《ENCORE》を探究する企画として、演劇作家/演出家の篠田千明氏をゲストにお迎えして、トーク&エクササイズ「崔承喜とアンナ・ハルプリンをめぐって – 《ENCORE》プロジェクト」をオンライン配信により開催します。
《ENCORE》は、朝鮮半島出身の舞踊家・崔承喜(1911-1969)をめぐるアートプロジェクトです。彼女が日本人として、あるいは朝鮮人として、東洋をどのように表現してきたのか、「踊り」や「言説」から現代の私たちに割り当てられたアイデンティティを問うべく、《ENCORE》ではレクチャーパフォーマンス/ワークショップを通して実践的に再考していきます。
制作方法のアプローチの一つに、戦後アメリカでポスト・モダンダンスを開拓した重要なダンサーのひとりであるアンナ・ハルプリン(1920-2021)の実践を取り上げます。従来の振付が決定された動作を完璧に模倣・固定することをめざすのに対して、「スコア」という彼女の振付手法では、動作は実験的に生成する枠組として機能しています。その時々によって再創造していく流動的な動作は、「開かれた振付」といえるかもしれません。
1. TALK
第1部のトークでは、ゲストの篠田千明氏が演出を手がけた、アンナ・ハルプリンの《5本足の椅子》(1962)のダンス・スコアをもとに制作した《5×5 Legged Stool》(2014)、マヌエラ・インファンテの戯曲《動物園》(2013)をもとに作られた作品《ZOO》(2016)などを出発点に、身体表現やアイデンティティについてのディスカッションを深めていきます。
2. EXERCISE
第2部では、参加者それぞれが交互に会話し、互いに観察する/される側の立場をくり返す「リフレクティング・プロセス」から着想したエクササイズを参加者間で行います(エクササイズは視聴のみも可能)。
現在を生きる私たちにとって、東洋的、西洋的、そして自国の伝統的なイメージ・言説・身体表現とはどのようなものでしょうか。既存の思考や慣習、制度、規範を知るためにもステレオタイプと遊びながら、現代における「割り当てられたアイデンティティ」について想像を広げていく「開かれた振付」を探していきます。
開催概要
出演 | Yuni Hong Charpe[アーティスト、RAMインターン] 篠田千明[演劇作家、演出家] |
日時 | 2021年12月9日(木)19:30-22:00 [2部制:①トーク ②エクササイズ]※エクササイズは視聴のみも可能 |
会場 | オンライン[Zoom ウェビナー] |
参加方法 | 無料・要予約 https://forms.gle/KdiB9jWxRLUrkGhk6 >>お申し込みはこちらから 本フォームよりお申込みいただいた方に、配信URLをお送りします。 *配信URLを第三者へお知らせする行為はお控えください。 *配信URLを記載したメールが届かない場合、お手数ですが geidairam@gmail.com までご連絡ください。 |
企画 | Yuni Hong Charpe、RAM Association |
主催 | 東京藝術大学大学院映像研究科 RAM Association |
助成 | 令和3年度文化庁「大学における文化芸術推進事業」 |
問合せ | geidairam@gmail.com |
出演者プロフィール
Yuni Hong Charpe(ユニ・ホン・シャープ) [アーティスト、RAMインターン]
東京都⽣まれ。アーティスト。2005年に渡仏、2015年にパリ=セルジー国⽴⾼等芸術学院を卒業。現在はフランスと⽇本の2拠点で制作・発表を⾏う。作品は多くの場合、場所の歴史や個人的な記憶についての考察から始まり、規範化した属性より構築されたアイデンティティへの疑問から、その多重性と不安定性を探求する。
https://www.yunihong.net
篠田千明(しのだ・ちはる) [演劇作家、演出家]
演劇作家、演出家。2004年に多摩美術大学の同級生と快快を立ち上げ、2012年に脱退するまで、中心メンバーとして主に演出、脚本、企画を手がける。以後、バンコクを拠点としソロ活動を続ける。劇の成り立ちそのものを問う『四つの機劇』『非劇』や、チリの作家の戯曲を元にした人間を見る動物園『ZOO』、その場に来た人が歩くことで革命をシュミレーションする『道をわたる』などを製作。2018年「Bangkok Biennial」で『超常現象館』を主催。2019年台北でADAM artist lab、「マニラWSKフェスティバル」Music Hacker’s lab参加。
2020年3月から東京に戻り活動中。