「GEIDAI BIBLIOSCAPE 2019 – オブジェとしての本」展示作品
 RAM Fellow


《 Rapid Pouring Reading 

本は「読む」ことができる。そこには文字があって、文字は印刷されていて手に持つことができるからだ。本という形があることで、私は1冊という時間を手に収められる。
読み進める私の目は、文字ひとつひとつを追い、単語を繋げて、意味を物語につくりあげていく。物語が本質に則しているか否かなどは関係なしに、ただ文字を追う乱雑な目の動きが、実は意図したものだと気づく。まるで、ポロックが塗料を丁寧に注ぐように。

(2019年-, 映像

 

 

 

青柳菜摘(アーティスト)
1990年東京都生まれ。ある虫や身近な人、植物、景観に至るまであらゆるものの成長過程を観察する上で、記録メディアや固有の媒体に捉われずにいかに表現することが可能か。リサーチやフィールドワークを重ねながら、作者である自身の見ているものがそのまま表れているように経験させる手段と、観者がその不可能性に気づくことを主題として取り組んでいる。2014年東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修了。近年の活動に「冨士日記」(NADiff Gallery,2016)、「孵化日記 2011,2014-2016」(ICC,2016)、第10回恵比寿映像祭(東京都写真美術館,2018)、「家の友のための暦物語」(三鷹SCOOL,2018)など。また書籍に『孵化日記2011年5月』(thoasa publishing,2016)、小説『黒い土の時間』(自家版,2017)がある。プラクティショナーコレクティヴであるコ本や honkbooks主宰。「だつお」というアーティスト名でも活動。
http://datsuo.com/