「RAM PRACTICE – ポストドキュメンタリーをめぐって」上映作品
 RAM2 Trainee 

木村奈緒《#newsstand》

 

 

木村奈緒《#newsstand》

《#newsstand》

数年前から、渋谷の街角の“ある一角”が気になっていた。新聞や雑誌、雨の日にはビニール傘もならぶ個人売店(ニューススタンド)だ。お世辞にもキレイとは言えない店構えは明らかにキオスクなどとは異なり、林立する商業ビルの足元にぽつんと取り残された売店は、そこだけ時が止まっているようだった。一方、渋谷の街は、2012年の渋谷ヒカリエの開業を皮切りに大規模開発が進み、2019年初頭の現在も訪れるたびに急激な変化を遂げている。すべての開発が終わる頃には、まったく知らない渋谷になっているのではないかとさえ思う。

すべてが変わってしまうなら、自分が今見ている風景だけでも残しておきたい。そう思ってカメラを片手に売店のおじさんに声をかけた。いつからこのお店をやっているのか。なぜこの仕事をはじめたのか。売店の中からは何が見えるのか。毎日渋谷を見ているおじさんは、街の変化をどう感じているのか。そんなことを聞いてみた。ちなみに、今渋谷に4軒ある個人売店のうちのいくつかは、再開発のエリアに入っているという。

(2019年,  9 min)

 

撮影・編集=木村奈緒

 

 

木村奈緒[フリーランス]
1988年生まれ。2010年上智大学文学部新聞学科卒業。メーカー勤務などを経て、現在は美学校と認定NPO法人水俣フォーラムでスタッフを努めながら個人で取材・企画などを行う。2015年に東京で『わたしたちのJR福知山線脱線事故ー事故から10年展』を開催。自分の中で見過ごせないもの、やり過ごせないことを何らかの形にしているように思います。htps://kimuranao.tumblr.com/

 

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2019-02-14|