C-LABとは、空総創新基地という国防部空軍の総司令部跡地を芸術特区として再編しようとする計画進行中の国家プロジェクトであり、新しいアートプロジェクトがいくつか立ち上がっていくなかで、『C-LAB|現地開放 Open In-Situ』と題して、3日間にわたりワークショップとフォーラムの2部構成によって、サイトスペシフィックをテーマに実験的なスペースにおける可能性をプランニングし議論ました。
DAY1-2: WORKSHOP《 Revisiting the In-situ 》
ワークショップでは「Positioning」と「Functioning」というワードをもとに、場所の固有性を手がかりにリサーチするアートプロジェクトが多いなかで、いかに場を開いていくかという可能性を拡げていくために想像力を働かせました。
軍事施設の跡地であるC-LABの敷地内ツアーを行い、芸術に求められる役割や制度を更新するためのアイデアをめぐって、フランス、日本、台湾からの参加者たちが対話しました。
川俣氏からは、訪問者が場に介入するためにその場で働くことの意味を再考すべく「under construction site」というプランが提案され、多角的な議論がなされました。
DAY3: FORUM《Lab Talk: Art in Fields: How and Why?》
FORUMでは、川俣氏のワークショップについての報告から始まり、日本における地域アートへの問題提起がなされました。パネラーには、台湾からアートコミュニティに関わる、蕭麗虹氏(バンブーカーテンスタジオ創立者)、林怡華氏(南方以南─南迴キュレーター)、陳政道氏(森人キュレーター、太魯閣アートレジデンシー)が参加し、それぞれの活動を紹介しました。桂英史氏からの問いかけに応えるかたちで、社会や世界に芸術実践がどのような役割を果たしうるかをめぐって議論は白熱し、充実した意見交換の場となりました。
【概要】
http://geidai-ram.jp/prog-ram/mediastudies/1534/
場所 : 台湾当代文化実験場[C-LAB](台北)工作坊2F
日時 : 2018年12月18日(火)-12月20日(木)10:00-17:00
共同企画:台湾当代文化実験場[C-LAB]
講師プロフィール:
川俣正 [アーティスト]
フランス、パリ国立高等芸術学院教授。既存の美術表現の枠組みを超えていく試みを実践してきた。建築や都市計画、歴史学や社会学、日常のコミュニケーション、あるいは医療にまで及ぶ分野と関わる。海外でよく知られている日本人アーティストのひとり。
龔卓軍 [国立台南藝術大学 准教授/Art Critique of Taiwan〔ACT〕編集長]
国立台南藝術大学准教授。美術誌『Art Critique of Taiwan(ACT)』編集長。G.バシュラール、M.メルロー=ポンティ、C.G.ユングの中国語(繁体字)翻訳者。チーフキュレーターを務めた『近未来的交陪:2017蕭壠国際現代芸術祭』が、第16回台新芸術賞を受賞。
参考リンク:
《Revisiting the In-situ》
https://clab.org.tw/event/%E7%8F%BE%E5%9C%B0%E9%96%8B%E6%94%BE-open-in-situ-%E5%B7%A5%E4%BD%9C%E5%9D%8A%EF%BC%8B%E8%81%9A%E7%9C%BE%E8%AB%87/