書き⾔葉/話し⾔葉を問わずに⾔語⼀般を条件とした芸術作品を「⽂芸」として捉え、同時代としてのリテラルな表現をめぐり新しい⽂体や形式を追求するプロジェクトです。
8⽉から始動する「Literally Research Lab」では、各回ごとにテーマを設けて、ディスカッションやワークショップを少⼈数で開催していきます。ホストから事前に提⽰された課題を通じて、⾔葉や⾔語が芸術表現にどのように関わりあい、そこにはどんな可能性があるか実践をベースにして迫ります。
表題の《⽯のエクリチュール》とは、ロジェ・カイヨワによる著作『⽯が書く』(新潮社, 1975年)に典拠して、原題である“L’Ecriture des pierres”=⽯のエクリチュールをプロジェクト名として引⽤しました。カイヨワは⽯に表出された模
様を前にして、それを「⽯が書いたもの」であると⾒出して思考を重ねています。ここでの模様とは何か。⼈間が⽂章表現を⽤いて表現する営為は、⽯が描出したことを翻案する作業であるのかもしれません。それまで⾒えていなかった
対象や関係性が⽴ち現れるには、「書く」ことを再-定式化することから始めなければならないのです。あるいは逆に⾔葉を⽤いた表現を他なるものに転⽤することによって余地が付与され、⽂芸に拡がりが可能となるのです。
⻘柳 菜摘[アーティスト]
ある⾍や⾝近な⼈、植物、景観に⾄るまであらゆるものの成⻑過程を観察する上で、記録メディアや固有の媒体に捉われずにいかに表現することが可能か。リサーチやフィールドワークを重ねながら、作者である⾃⾝の⾒ているものがそのまま表れているように経験させる⼿段と、観者がその不可能性に気づくことを主題として取り組んでいる。プラクティショナーコレクティヴであるコ本や honkbooks 主宰。「だつお」というアーティスト名でも活動。
http://www.datsuo.com/
佐藤 朋⼦[ アーティスト]
1990年⻑野県⽣まれ、神奈川県在住。2018年東京藝術⼤学⼤学院映像研究科メディア映像専攻修了。レクチャーパフォーマンスを主として「語り」による表現活動を⾏う。主な作品に、『The Reversed Song, A Lecture on “Shiro-Kitsune (The White Fox)”』(2018-)、『⽡礫と塔』(2018-)、『103系統のケンタウロス』(2018-)、『ふたりの円⾕』(2019-)、『Museum』(2019-)。
tomokosato.org
【開催日時】
#1 オリエンテーション+共同討議「〈言葉〉の遠近法」(2020.8.3)
#2 LITERARY RESEARCH LAB〈メタドキュメンタリーと文芸〉(2020.8.24)
#3 ワークショップ〈想像もつかない物語を創造する〉(2020.9.4)
#4 LITERARY RESEARCH LAB〈レクチャーパフォーマンスと文芸〉(2020.9.14)
#5 〈「集めて・選んで・読む(再び知る)」からレクチャーパフォーマンスを開発する〉(2020.9.28)
#6 〈語り方を身体まで拡張する〉ワークショップ(2020.10.15)
#7 RAM PRACTICE 2020に向けての発表(2020.12.20)