《 ほうれん草たちが日本語で夢を見た日 》
インスタレーション, ダンボール, サウンド(2020)
二人の農家と三人の外国人技能実習生と私は、ひたすら鍬でほうれん草を刈る。上空では鳥が春の訪れを歓迎するかのようにさえずり続け、箱に詰められたほうれん草たちはトラックで運ばれていく。 そのとき私は、ほうれん草たちが見よう見まねで、さえずりだしたような感覚に陥った。そしていま、その情景を再現しながら、いつの日から日本語で夢を見はじめたのかを思い出そうとしている。
潘逸舟
Ishu Han
1987年上海生まれ。東京在住。2012年、東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了。社会と個の関係の中で生じる疑問や戸惑いを、自らの身体や身の回りの日用品を用いて、映像作品、インスタレーション、写真、絵画など様々なメディアを駆使しながらも、真摯に、時にユーモアを交えながら表現する。