《 TWO PRIVATE ROOMS 》
映像(マルチスクリーン, インスタレーション, 5h, 2020)
青柳菜摘と佐藤朋子による、物語やテキストの断片をその日ごとに選び、読み語るプロジェクト〈往復朗読〉を展示作品で発表します。パンデミックの事態をきっかけにして、2020年4月20日より始まり、互いに自分がいる場所からその日限りの出来事として、Twitter/Periscopeを通して映像でのライブ配信を行ってきました。
コロナ禍の窮状に対して、応答する〈声〉をタイムラインに留めていくことによって、継起の記録を更新し、芸術と生の関係性を問い直します。
青柳菜摘
Natsumi Aoyagi
1990年東京都生まれ。ある虫や身近な人、植物、景観に至るまであらゆるものの成長過程を観察する上で、記録メディアや固有の媒体に捉われずにいかに表現することが可能か。リサーチやフィールドワークを重ねながら、作者である自身の見ているものがそのまま表れているように経験させる手段と、観者がその不可能性に気づくことを主題として取り組んでいる。近年の活動に「彼女の権利——フランケンシュタインによるトルコ人、あるいは現代のプロメテウス」 (ICC, 2019)、第10回 恵比寿映像祭(東京都写真美術館, 2018)、「家の友のための暦物語」(三鷹SCOOL, 2018)など。
佐藤朋子
Tomoko Sato
1990年長野県生まれ、神奈川県在住。2018年東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修了。レクチャーの形式を用いた「語り」の実践を行っている。日本が辿ったいびつな近代化への道のりや、大文字の歴史からこぼれ落ちてしまった出来事が物語る歴史の複数性への関心と、各地に残る伝説や遺跡などへの興味から、作品を制作する。そして、史実の調査過程から浮かび上がる事柄を複眼的につなぎ合わせ、フィクションとドキュメントを行き来する物語を構築する。主な作品に、『しろきつね、隠された歌』(2018)、『瓦礫と塔』『ふたりの円谷』(Port B 東京修学旅行プロジェクトにて上演、2018–19)、『103系統のケンタウロス』(2018)、『MINE EXPOSURES』(2019)など。