東京藝術大学大学院映像研究科では、人材育成プログラム「リサーチ型アートプロジェクトのための人材育成事業」geidai RAM : RESEARCH-BASED ARTS MANAGEMENTを実施します。

近年、アートマネジメントを学ぶ環境の整備が着実に進む一方で、アートが現代社会に応答するためには、社会の要請に応え、地域をにぎわすだけでは十分でない状況が明らかになっています。アートによるにぎわいが増す一方で、社会の閉塞感は深まりつづけています。今必要なのは、リサーチによって社会の課題そのものをあらたに掘り起こし、芸術表現だからこそ可能な社会へのアプローチを明確に示すこと、さらにはドキュメントやアーカイヴを残し、アートを多様に社会化していくことではないでしょうか。

こうした理念に基づき、以下の二点を重視したプログラムを開催します。

  1. 領域を横断した調査研究能力とマネジメント能力をもち、ドキュメントやアーカイヴの製作によって、
    芸術の多様な機能を社会に問うことのできる人材を育成する。
  2. <アジア>をテーマにしたゼミナールやフィールドワークに参加すると同時に、
    法務や財務のカリキュラムを通じて、理論・実践・実務の能力を兼ね備えた人材を育成する。

本プログラムでは、①実務を身につける講座、②リサーチによってテーマを深めるゼミナール、③都市のフィールドワークとアートワーク実践、そして④ドキュメントとアーカイヴの製作を通じて、社会の課題に取り組むアートに携わることのできる人材を育成します。

プログラムの全過程は研修生によって記録・編集され、研修生の問題意識と取り組みに応じて、書籍としての出版、映像作品としての発表、ウェブ・アーカイヴの公開等、多様なアウトプットの可能性へと開かれています。

本プログラムは、スキルアップを目指すキュレーターやプロデューサーだけでなく、「社会の課題に取り組むアート」に対して、リサーチ、編集、映像、デザイン、ウェブといった視点で取り組みたい方を広く歓迎いたします。なお、年間プログラム終了後、2014年度の修了証を授与いたします。