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東京藝術大学大学院映像研究科が主催する人材育成事業geidaiRAM(Research-based Arts Management)では、一般公開のレクチャー・シリーズを開催しています。社会を巡る状況が大きく変化しつつある中、日本におけるアートマネジメントやアートプロジェクトを問い直し、地域やコミュニティとアートの関係を捉え直すために、geidaiRAMでは様々なゲストを招いて公開で議論することで、社会に問いを開いていきたいと思います。

アートをとりまく労働環境においては、近年各地で議論が沸き起こりつつありますが、世に言われる労働問題とはまた少し違った難しさを持っているようです。
先のgeidaiRAM OPEN LECTURE第6回「労働と芸術の公共性を考える」では、社会学的調査・研究から芸術文化の現場を担う人々の労働状況に対する報告や、映画業界における過酷な労働環境の実態をとおして、これらの問題について考える場を共有しました。
第8回目を迎える今回は、研究者とアーティスト、2名のゲストをお招きし、テーマである「アーティストは搾取されている(か)!?」についてともに考えます。
ハンス・アビング著『金と芸術-なぜアーティストは貧乏なのか?―芸術という例外的経済』(グラムブックス、2007)訳者であり、美術館学芸員として数々の展覧会を運営しながら、経済学的理論でアートにまつわる労働や経済構造について調査研究を継続されている山本和弘さんには、アーティストのサバイバルについての調査報告をお話頂きます。
また、制作・発表というアーティスト本来のスタンスを念頭に彫刻作品の制作に取り組みながら、自ら表現を共有する場・機会を創出、拡張する活動をなさっている冨井大裕さんには、ご自身の経験をふまえたお話を伺います。
是非ご参加ください。

 

【入場無料・事前予約不要|受講生以外の方もご参加頂けます】
日時:2015年1月21日(水)18:30ー21:30
場所:東京藝術大学上野キャンパス美術学部中央棟1F第1講義室

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主催:東京藝術大学大学院映像研究科 平成26年度文化庁「大学を活用した文化芸術推進事業」

【プログラム】
■ 18:30-18:45 geidaiRAMと講師紹介
■ 18:45-19:30 山本和弘さん アーティストのサバイバル
■ 19:30-20:10 冨井大裕さん 何かに期待せずに続けていく活動を積極的に活用する
■ 20:10-20:25 休憩
■ 20:25-21:30 オープンセッション

講師プロフィール:
山本 和弘(やまもと・かずひろ)
栃木県立美術館シニア・キュレーター

1958年山形県生まれ。東北大学文学部美学西洋美術史専攻卒業後、マーケティングの研究と実務に携わる。この間の主要論文に「(多変量解析による)日米広告会社の経営分析比較」(『日経広告研究所所報』、1984)がある。主な訳書にハイナー・シュタッヘルハウス著『評伝ヨーゼフ・ボイス』(美術出版社、1994)、ハンス・アビング著『金と芸術-なぜアーティストは貧乏なのか?―芸術という例外的経済』(グラムブックス、2007)がある。おもな論文に「厚生芸術の萌芽的研究」(2011)、「【エッセンシャル版】厚生芸術の萌芽的研究」(2012)、「非合理的な愚か者-ミクロ経済学からみたアーティスト像」(2014)、「厚生芸術入門」(2014)、「社会システムへの異議申し立て-ヨーゼフ・ボイス《資本空間1970-77》(1980)の成立過程とその意義をめぐる一考察」(2014)、「ロバート・スミッソン――メタ-サイトとしての絵画:アフター・ポロック、ポスト・アインシュタインの視点による 1959—62年の初期絵画ブロックについての一考察」(2014)がある。美術評論家連盟副常任委員長、東京藝術大学および東北芸術工科大学非常勤講師。

冨井 大裕(とみい・もとひろ)
美術家

1973年新潟県生まれ。既製品に最小限の手を加え構成し、その製品の用途・意味から解放された素材の条件を構造として「彫刻」のあらたな可能性を模索する。また、SNS上で毎日発表される「今日の彫刻」をはじめ、既存の展示空間や制度を批評的に考察する「壁ぎわ」プロジェクト等の活動でも注目を集める。近年の展覧会として「『再考現学 / Re-Modernologio』phase2: 観察術と記譜法」(国際芸術センター青森、2011)、「所沢ビエンナーレ美術展 2011 引込線 」(埼玉、2011)、「横浜トリエンナーレ2011」(横浜美術館、神奈川、2011)、「MOTアニュアル2011」(東京都現代美術館、2011)、「水と土の芸術祭2012」(万代島旧水揚場、新潟、2012)、「マンハッタンの太陽」(栃木県立美術館、2013)、「『combine』-still-」(Yumiko Chiba Associates、2013年)、「ニイガタ・クリエーション 美術館は生きている」(新潟市美術館、2014)、「開館20周年記念 MOTコレクション特別企画クロニクル1995-」(東京都現代美術館、2014) 等。
http://tomiimotohiro.com

企画・運営・広報: 小形幸、堀江映予(geidaiRAM)