第3回のオープン・レクチャーは、磯崎新氏を招聘し開催しました。磯崎氏が大阪万博会場のマスタープランを制作した1960年代後半の時代背景から講義がはじまり、コラージュ作品の《ふたたび廃墟になったヒロシマ》の紹介から、都市とは何かその原理に迫っていきました。原発の巨大な爆発から「巨大数(グレーターナンバー)」をキーワードに、20世紀後半からの見えないほどまで拡張する都市の現象について問いかけ、「アーキテクチャー」と「建築」が東アジアにおいてどのように翻訳され、概念が受容されて来たか再考しました。金正日を「アーキテクト」として捉え直し、平壌の都市計画から巨大数と向き合わざるえない現代の問題を検討しました。レクチャーの後半は、geidaiRAM2プロデューサーでもある高山明氏と桂英史氏が加わり、古代ギリシャのテアトロン(劇場)やマーシャル・マクルーハンのメディア論を通して議論を深めていきました。来たるべき都市の条件とは何か、制御や効率のために規格化が著しく突き進む現代において、「言葉」や「身振り」という身体にこそ可能性があるのではないか、議論は途切れることなく展開しました。

 

【開催概要】
http://geidai-ram.jp/event/419/
会場 : 東京藝術大学 上野校地 中央棟第一講義室
日時 : 2018年11月26日(月)  18:30 – 21:30
主催 : geidaiRAM2(東京藝術大学大学院映像研究科)
助成 : 平成30年度文化庁「大学における文化芸術推進事業」
協力: Misa Shin Gallery

企画進行:和田信太郎
運営:佐藤朋子・田中沙季
広報:西山有子・澤本望
メインビジュアルデザイン:和田信太郎
記録ディレクション:村田萌菜
写真:大塚敬太、澤本望
映像: 飯岡幸子
サテライト会場テクニカル:高見澤峻介、金井啓太

参考リンク:
LOOP 映像メディア学―東京藝術大学大学院映像研究科紀要〈Vol.9〉
(本レクチャーの内容を全文記載)

2018-11-27|